スーパー・ショッピングモール・雑貨店など、小売業での活用事例を紹介
近年、リアル店舗におけるマーケティングや業務改善の現場では、「誰が」「いつ」「どのように」店舗を訪れているのかをデータで把握するニーズが高まっています。
特に、コロナ禍以降、消費者の購買行動が大きく変化する中で、カメラによる属性分析や人数カウントを活用した店舗運営が注目を集めています。
その中でも、来店客の年代・性別などをリアルタイムで把握できるツール『EMOTICS(エモティクス)』は、幅広い小売業で導入が進んでいます。
今回は、小売業の中でも代表的な業態別に、EMOTICSの活用事例をいくつかご紹介します。
スーパーマーケット
曜日・時間帯で異なる「顧客像」に合わせた売り場づくり
スーパーでは、平日と週末、昼と夜で異なる客層が来店します。たとえば、平日午前中はシニア層、夕方以降は子育て世代や共働き家庭が中心というパターンはよく見られます。
EMOTICSでは、時間帯ごとの来店者の属性を可視化できるため、チラシの出し分け、売り場の陳列変更、POPの内容変更など、時間帯別の“刺さる販促”が可能になります。
さらに、人数カウントを使えばピークタイムの可視化ができ、混雑時間帯のレジ人員配置やサービスカウンターの調整など、業務効率化にも活用できます。
EMOTICS活用案
課題
・曜日・時間帯による客層の違いが読めず、売り場展開が属人的に…
改善
・実際の来店者の属性と「想定ターゲット」のギャップを見える化
・SNS施策の結果として、どんな層が流入しているかを数値で確認
具体例
・平日午前は高齢層が多い → 栄養バランス提案POPや試食展開
・週末夕方は家族連れ → 子供向けお菓子・時短総菜のプロモーション強化
・平日の特定時間だけスタッフ配置を厚くして省人化と満足度を両立
アパレル専門店
ターゲットと実来店者のギャップを修正
アパレル店舗では、ブランド側が想定する「ターゲット像」と、実際に店舗を訪れている顧客層にギャップがあることがよくあると言われています。
EMOTICSを利用することで、来店者の属性を継続的に分析し、「本当の顧客像」を可視化することができます。例えばSNSキャンペーンを実施した際に、狙っていた20代ではなく30代の来店が増えていたという結果から、商品や価格帯を調整したという事例もあります。
ターゲット像の解像度を高め、マーケティングとの“ズレ”を補正することで、販促効果がより一層高まります。
EMOTICS活用まとめ
課題
・ターゲット層に届いているかどうかが不明確。来店客数の変動が読みにくい。
改善
・平日・週末の来店者の属性を比較して、チラシ・販促品の出し分け
・夕方のピーク時間に合わせたレジ人数の最適化
具体例
・Instagramのキャンペーンで来店した層が20代女性中心 → 商品の価格帯を見直し
・平日夕方は男性来店が多い → メンズアイテムの棚割を見直し
・キャンペーンの反響を“数字”で検証でき、販促PDCAが早く回る
雑貨店・ライフスタイルショップ
シーズン施策やイベント販促に柔軟対応
雑貨店やライフスタイル系の店舗では、来店者の回遊時間が長く、目的買いより“ふらっと立ち寄る”ケースが多く見られます。そのため、購買に至るまでの導線設計や季節感ある演出などが成果に直結します。
たとえば、イベントシーズン(バレンタインやクリスマスなど)で10〜20代女性の来店が増えることがわかった場合、ギフト提案を前面に打ち出した売り場に切り替えることで売上に直結します。逆に、来店が減少するタイミングには、アプリ連動のクーポン施策などを合わせて行うなど状況に応じた施策が効果的となります。
属性データによるトレンド分析は、「何を売るか」「いつ仕掛けるか」の判断軸として非常に強力だと言われています。
EMOTICS活用まとめ
課題
・回遊性が高く、購買率が読みにくい。季節商材の訴求が不明瞭。
改善
・店舗に「どの年代・性別」が多いかを把握し、商品構成やレイアウトを調整
・季節やイベント時期の来店傾向を比較し、プロモーションの最適化
具体例
・バレンタイン前は10〜20代女性が増加 → ギフト向けコーナーを前面に展開
・雨の日は来店が少なくなる傾向 → 雨割クーポンをアプリ配信して送客
・属性データをもとにPOPデザインも年齢層別に出し分け
ショッピングモール
広い施設内の“ゾーン別分析”で売上アップへ
大型商業施設では、テナントの数やフロアが広いため、「どのエリアに、どんな客層が集まっているのか」が見えづらいという課題があります。
EMOTICSを各エリアに設置することで、エリアごとの来店者の属性や人数を可視化できます。たとえば、若年層が集まりやすいファッションフロアにはSNS映えを意識したイベントを、シニア層が多い雑貨エリアには休憩スペースや健康関連の催事を行うなど、ゾーンごとに施策を最適化できます。
こうした属性データに基づいた“エリア設計”や販促戦略は、モール全体の回遊性や滞在時間の向上にもつながります。
EMOTICS活用まとめ
課題
・広大なフロアに対して「どこに」「どのような人が」来ているのか不明。
改善
・フロアやエリアごとにカメラを設置してゾーン別の人数カウント
・各エリアの「年代・性別」傾向を可視化してテナント配置や販促強化の判断材料に
具体例
・若年層が集中するファッションエリア → SNS映えするイベントを展開
・高齢層が多いエリア → 休憩スペースやベンチの充実を提案
・フードコートの混雑時間を把握 → 客席の回転効率を改善
業態ごとに異なる課題も、“来店者を知る”ことで共通の打ち手が見えてくる
スーパーマーケット、アパレル、雑貨、ショッピングモール…一言で「小売業」といっても、その業態ごとに直面する課題やお客様の動きは千差万別です。
しかし、どの業態にも共通して言えるのは、「実際に店舗に足を運んでいるのは、誰なのか?」という本質的な問いに答えることが、売上向上や業務改善の第一歩であるということです。
AIカメラを活用した人数カウントや属性分析は、そうした「見えにくい課題」に光を当てる手段として、多くの現場で導入が進んでいます。
EMOTICSは、単なる人流データの取得にとどまらず、時間帯別の顧客像の変化、エリアごとの傾向、販促効果の可視化など、小売の現場が抱えるリアルな悩みに“気づき”と“判断材料”を提供してくれます。
すでに、さまざまな業態での導入事例が蓄積されており、現場に即した活用方法を知ることで、自店舗に合った活用イメージを持ちやすくなるのも大きなポイントです。
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